昨今、将棋界はコロナウイルスの影響を大きく受けています。

イベントも中止が相次ぎ、将棋ファンの皆様も困惑していることでしょう。

今回は公式戦と奨励会でどのように影響を受けているのか、ご説明いたします。

 

公式戦

 

名人戦と叡王戦の延期

 

本来であれば、4月中に第一局が指される予定だった、

名人戦と叡王戦が5月以降に延期となりました。

(追記:名人戦は6月まで延期となりました)

 

これにより、日程と対局場、現地の大盤解説は大きな変更を余儀なくされます。

残念ですが仕方ありません。

こればかりは状況次第ですので今後の連盟の発表を待ちましょう。

 

私も某タイトル戦の記録係を務めるつもりだったのですが、

ダメそうですね……。ずっと前から楽しみにしていただけに残念です。

 

 

関東VS関西で行われる対局は5月以降に延期

 

関東在籍の棋士と関西在籍の棋士が対局する場合は

移動の感染リスクが高まるということで、

緊急事態宣言解除後に対局を行うことが決定しました。

 

これに関しては賛成の棋士が大多数だと思います。

以前、メールで某棋士とお話ししていたとき、

「新幹線に乗りたくない」とおっしゃっていました。

 

棋戦進行は遅れてしまいますが、感染リスクを下げることが第一です。

 

 

4月17日以降の記録係は男性棋士と女流棋士

 

緊急事態宣言解除まで奨励会員を保護するという観点から

4月17日~5月6日までの記録係を男性棋士と女流棋士が取ることになりました。

(追記:緊急事態宣言延長に伴い、5月6日以降も取ることに)

 

本来は男性棋士の記録は奨励会員が取り、

女流棋士の記録は女流棋士が取るという決まりでした。

今回、奨励会員は記録がなくなり、

ホッとする者のいれば、給料が0になり愚痴をこぼす者もいます。

特に一人暮らしをしている奨励会員は死活問題で、

「記録ができないからバイトを探す」

という状態になっている方が多数いらっしゃいました。

 

 

うーん、一長一短ですね(-_-;)

 

 

 

1対局室に1対局

 

ソーシャル・ディスタンスを考慮して、

1日に行える対局は1部屋につき1つになりました。

従来はどの対局室でも2局行われていたので、

開放感もあって指しやすくなったかと思います。

 

ですが1日にできる対局の数が限られているため、

棋戦の進行が遅れることは間違いないです。

 

以前、国立競技場(東京将棋会館付近)でオリンピックがあるために、

8月の関東の公式戦を0にしようと対局を1ヶ月分詰めていました。

なので多少の遅れは大丈夫なのですが、緊急事態宣言が長引くと

全棋戦が数ヶ月分遅れることもあるようです。

 

 

 

徹底した体調報告

 

対局者は対局の朝に検温が義務付けられました。

もし熱があれば対局はその日でも延期(本来、直前の延期は不可)になります。

その他咳など症状があった場合、

連盟職員と要相談し認められれば対局の延期が可能です。

 

今までは体調不良でも来なければ不戦敗になっていたので

これは非常に良い制度だと思います。

 

 

 

千日手や持将棋の協議

 

通常は公式戦で千日手や持将棋が発生した場合、

指し直しをその日のうちにやらなければいけないのですが、

深夜の長時間対局を避けるため、別の日にすることもできるようになりました。

実際に千日手が起こった4月17日の佐々木(勇)七段-松尾八段戦は

対局者同士の合意のもと、延期が決定しました。

 

疲労により、免疫が落ちて感染というのが最悪のケースなので

私は良いと思うのですが別の日にすると、

それはそれで感染リスクが高まるという意見もあるようです。

 

 

 

奨励会

 

異例の延期

 

奨励会は関東も関西も4月の第2例会、5月の第1例会が延期となりました。

(追記:緊急事態宣言延長により、6月以降に延期になりました)

 

前述しましたが、奨励会員保護の観点から

記録係などの仕事もすべてなくなり、奨励会員は完全にニート状態です(笑)

 

ネット将棋に明け暮れる者、ゲームアニメにハマる者、

ネットサーフィンをする者、ネットビジネスに精を入れる者、

指導対局でお金を稼ぐ者、コンビニやUber Eatsのバイトで食をつなぐ者、

奨励会員は多種多様な生活を送っています。

 

中でも奨励会員の古田龍生三段と熊谷俊紀二段はYoutube活動を始めました!

級位者はもちろん、有段者も参考となる動画を

たくさん投稿されていますのでぜひ見てください!

 

ちなみに私は最近、クラシックを聴いて精神統一しています!(^^)!

その他にもネットで将棋の研究会をしたり、

こうしてブログを書いたりして割と自粛を楽しんでますね(笑)

 

 

 

緊急事態宣言前の奨励会

 

実は4月の第1例会までは普通に行われていました。

それでも通常にということではなく、

普段の対局場は有段者が使い、連盟の将棋道場を級位者が使うという形で

なるべく3密を避けて行っていました。

対局中も手の消毒をするよう幹事から言われていました。

 

奨励会員たちも「奨励会はみんな命を賭けて来ているから無くならないだろう」と

話していたので今回の発表は驚きました。

ですがそのおかげで現在、

コロナウイルスに感染した奨励会員はいません。

連盟のご懸命な判断に感謝です。

 

 

 

最後に

 

コロナウイルスの影響で様々なイベントが中止になりました。

しかし、悲しいことばかりではありません。

ここ最近、男性棋士・女流棋士のネット指導対局が増えていることをご存知でしょうか?

 

『将棋倶楽部24』、『将棋ウォーズ』、『81dojo』で

毎日のようにプロによる指導対局が行われています。

特に『将棋倶楽部24』ではSkypeを通してお互いの顔を見ながら指せるので

現地に行って指すのと同じ感覚でできますね。

その他にも『81dojo』では羽生善治先生の指導対局が行われました!

 

皆さんもこの機会に、

好きな男性棋士・女流棋士の指導対局を受けてみてはいかがでしょう?

 

以上、『コロナウイルスによる公式戦、奨励会の影響』でした!

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