連続王手の千日手、500手ルール、反則の投了優先、
これらの単語が出てきたとき、パッと正しいルールを説明できますか?
中にはプロとアマでルールが違う、なんてこともあります。
もし知らなかったら負けにされてしまうかも・・・
この記事を読んで完璧にルールを覚えましょう!
2019年に追加された新ルールも解説していきますよ!
連続王手の千日手(反則)
連続の王手で千日手をすると、王手をしている側が負けになります。
たとえばこれ。
先手は詰ますよりない局面ですが、▲2一金は△3二玉▲3一飛成△4三玉で詰みません。
したがって、△3二玉▲3一金△2二玉▲2一金△3二玉……と
千日手にしようとするのですが、
-
・連続で王手をかけている
-
・同じ局面が4回現れる
この条件を満たすと、王手をしている側(この局面で言うと先手)の負けが決まります。
有段者でもたまに知らない方はいるのでしっかり覚えてください。
私も昔、アマ1級の時に連続王手の千日手をやってしまい、
対戦相手に注意されたことがあります。
その方は優しかったので助かりましたが、本来は問答無用で負けになるので気をつけましょう。
着手が時間内に間に合わなくても着手認定される場合がある
よく秒読みで焦るあまり、駒を落としてしまうことがあると思います。
そういうとき、そのまま時間切れになるかと思いきや実はそうではありません。
そこから助かる方法があるんです。
以下の条件をすべて満たせば、
着手が間に合っていなくても対局が続行できるんですよ!
条件その1 着手の場所を指で押さえる(▲7六歩なら▲7六の地点)
条件その2 着手名を言う
着手名は「▲7六歩」などの符号でもいいですし、
「歩を動かします」、「歩!」だけでも着手の代用となります。
駒を落とした等、ハプニングが起きたときに使いましょう。
マナーの良いものではないので、
時間が間に合わないからという理由で使うのは避けてください。
私も今まで使わざるを得ない場面は何回かありましたが、
その都度「失礼しました」と言うようにしています。
入玉宣言法
お互いの玉が敵陣に入り勝負がつかなくなった場合、持将棋といって無勝負になります。
ですが、持将棋にするにはこの入玉宣言法を使って「宣言」しなければいけません。
入玉宣言法にはいくつか条件があります。
「宣言」するときは、そのすべての条件をクリアしていないと負けになるので気をつけましょう。
ですが条件を満たしていれば逆に勝ちになる場合もあります。
早速見ていきましょう。
【入玉宣言法】
宣言しようとする側は自分の手番で、
「宣言します」と言って対局を停止させます。
-
宣言側の玉が敵陣3段目以内に入っている
-
宣言側の敵陣3段目以内の駒は玉を除いて10枚以上ある
-
宣言側の玉に王手がかかっていない
(相手の玉位置や駒の枚数は関係ありません)
この3つの条件を満たしていなければ宣言側の負け。
これらの条件を守って「宣言」したら、次に宣言側の点数計算が始まります。
宣言側の点数が31点以上あれば宣言側の勝ち、
24点以上30点以下なら無勝負。指し直しとなる
点数の数え方は、
玉→0点
飛車、角→5点
金、銀、桂、香、歩→1点
(成っていても点数は変わりません)
です。
この局面だったら、
敵陣3段目以内にある駒と持ち駒を計算して、
先手が25点、後手が24点あるので無勝負(指し直し)になります。
ちなみに自陣の駒は点数に含めないので注意しましょう。
アマチュアは27点法
アマチュアでは27点法を採用している場所が多いです。
27点法は24点法とほとんど同じですが、
『宣言側の点数は先手は28点以上、後手は27点以上であること』と条件がやや異なります。
大会や道場によって27点法、24点法分かれるので、
対局開始前によく確認しておきましょう。
新ルール 【500手ルール】
これは持将棋関連のルールです。
2019年10月に追加されました。
その内容は、
「500手目に到達すると強制的に持将棋になる」
というもの。
そのときは両対局者の点数は関係なしに、すべて無勝負になるようです。
なのでもし相手の点数が24点未満だった場合、入玉宣言法の条件を
満たしているなら早く宣言をしないと無勝負になってしまうということですね。
逆に自分の点数が24点未満なら500手まで指せば引き分けになります(-_-;)
500手まで指すのは現実的ではありませんが・・・(笑)
おそらくアマチュア大会などでは、
正確な手数を計測できない、という理由から採用されないと思います。
仮に採用されても使われるかどうか。。。
私なら奨励会の対局でもない限り、さっさと宣言して次の対局にいきますね。
新ルール 【反則優先の原則】
これも2019年に決まったルールです。
その内容は、
「反則は終局後からでも指摘できる」というもの。
当時、将棋界には大きな衝撃が走りました。
今までは反則をした際、相手に気づかなければ
そのまま対局を続行し終局後は投了時の勝敗を優先するシステムでした。
これを『投了優先の原則』と言います。
なので、このように二歩を打っても
そのまま気づかずに
△7一銀▲8二角△同銀▲同歩成(第1図)
第1図
という風に進んで後手が投了すれば、
先手は二歩を打っても勝ちになったわけです。
ですが現行制度では盤面を戻して反則を指摘できれば、
たとえ投了していても勝つことができるんです!
これは公式戦のルールですので、
アマチュアの対局に採用されるかはわかりません。
あらかじめ確認しておく必要があるでしょう。
ちなみに
- 反則優先の原則は『待った』、『時間切れ』の終局後には使えません。
(終局前ならいつでも指摘可)
- 記録係や審判員などの第三者は反則の指摘ができます。
(一般の対局観戦者は反則を指摘することができませんのでご注意を)
最後に
将棋の応用ルールをどのくらい知っていましたか?
もし知らないものがあったらすぐに覚えてください。
これらのルールはトラブルの起こりやすいところですので、
正しいルールを確認して心地よく将棋を指しましょう。
以上、将棋の応用ルールでした!