皆さんは受けの手筋をどれほど知っていますか?
将棋はどんなに攻めが強くても、受けが全くできなければ負けてしまいます。
「ずっとこっちが良かったのに相手のよくわからない攻めで倒されてしまった」
なんてことも起こりえますよ。
今回はまず受けの基本ということで、
歩を使った受けの手筋から学んでいきましょう!
この記事の対象者は15級~5級です。
おとりの歩
例えばこの局面。
次に△8七桂成から詰まされてしまうので何か受けなければなりませんが、
持ち駒は歩だけです。
▲8八歩と打てたり引けたりすれば受かるのですが、当然反則負けです。
さあどうやって受けましょうか?
ここでおとりの歩を使います。
局面から、▲8六歩、△同香、▲8八歩
今度△8七香成は▲同歩で大丈夫です。
△8七歩と打てれば攻めが続くのですが、二歩なので打てません。
▲8六歩から▲8八に歩を下げるのがポイントでした!
同様の問題をもう1問やってみましょう。
今度はこの局面。端を攻められていますね。
放っておくと△9六歩から桂を取られてしまいます。
△9七香成から取ってくれれば▲同香で桂香交換で済むんですけどね。
でもさらに言えば△9六歩もまだ甘い手で、それなら▲9八歩で受かります。
次の本当の狙いは△9八歩▲同香△9六歩です。
これなら▲9八歩と打つスペースがないので端を突破されてゲーム終了です。
さあ、どうしましょうか?
ポイントは歩を二枚持っていることです。
正解は▲9六歩△同香▲9八歩!
これなら△9六歩と打つスペースがないので
これ以上効果的な攻めがありません。
さらにもう1問行ってみましょう!
今度はこちら。持ち駒はありません。
将棋を覚えたての方は、
一見何を受ければ良いかわからないかもしれません。
実はここから思わぬ手を後手は狙っています。
△3六桂▲1八玉△2八金
角が利いているので△3六桂は取れず逃げることになりますが、
△2八金でいきなり詰みとなります。
恐ろしいですね・・・(笑)
戻って最初の局面では、▲1六歩や▲1八玉、
▲2六歩や▲4八金上などが有力でそれなら今すぐ詰むことはありません。
ですが、どれも△3六桂と打たれてしまうので少し気持ち悪いですよね。
ここでは形良く受けるためにどうすればいいかを考えていきましょう。
『大駒は近づけて受けよ』
こんな格言をご存知でしょうか?
角や飛車は近づけて取りをかけながら受けると
高確率で危機を回避できるというものです。
これをヒントに解いてみてください。
正解は▲4六歩△同角▲4七金です!
歩は取られてしまいますが、手順に高美濃囲いを完成させることができます。
同時に△3六桂も防げていますね。
相手は角取りなので撤退することになりますが、
そこで攻めに専念すれば相当に勝ちやすいでしょう。
位奪還の歩
まずは局面をご覧ください。
△7六歩の位があるために、先手は▲7七銀と上がるスペースがありません。
これは『壁銀』といい、非常に危険で絶対に避けなければいけない形。
玉の逃げ道を自らの銀で塞いでしまっています。
なのでここでは、
▲7七歩と合わせるのが正解です!
△同歩成に▲同銀とすればあっという間に『壁銀』解消です。
これで玉を▲8八に移動することができますね。
今のを例題として、もう1問やってみましょう。
次はこの局面。
中央の位を取られていて、いつ攻めが来るかわからない状態。
これを放置することはできません。
さあどうしましょう?
これも先ほどと同じ要領でやれば解けますよ。
正解は▲5七歩!
△同歩成に▲同銀で、こちらは金銀銀の3枚で守っているので
△5六歩と打たれても取れば大丈夫です。
次に▲5六歩と打てば相手の銀を後退させることができますね。
ではさらにもう1問。
今度は少し難しめ。
最初の手は▲7六歩ですが、その後どう指すのかもお考えください。
△同歩に▲同銀で成功だと思っていると、△7五歩で一手損になってしまいます。
▲同銀は△7四歩ですね。
ヒントは「7五の位は先着1名」です。
正解は▲7六歩△同歩▲7五歩!
こうすれば相手に△7五歩を打たれず
悠々と▲7六銀で位を取り返すことができます。
最後は上級者向けでしたが、どれも頻出手筋ですよ!
焦点の歩
まずはこちら。
ここで▲1八玉は△2七香成から詰み、合駒は取られて詰み。
どう見ても詰みのように見えますが、
実はここで妙手があり、先手玉は詰みを免れることができます。
正解は▲2七歩!
△同香不成で詰みに見えますが、
▲1八玉△2八香成▲1七玉で脱出成功です!
では次の問題へ。
今度は△3三角と△4一飛で銀の両取りがかけられていますね。
銀をどう動かしてもどちらか取られてしまいますので、
ここは歩を使って受けるほかありません。
さて、どう指すべきでしょうか?
ヒントは「飛車と角の利きを同時に止める」です。
正解は▲4四歩!
△同角なら▲5五歩、△同飛なら▲4六歩。
これで両方の銀が助かりますね(^^)
底歩
これは簡単なので1問だけで。
この局面ですが、次に△4九飛成▲同銀△同飛成とされると投了級です。
なのでここは
▲5九歩と底歩の手筋で受けましょう
たった一歩の受けですが、玉の囲いが見違えるほど固くなります。
一歩千金ですね(^^)
ただ、相手の持ち駒に香があると△5六香と打たれたときに
▲5七歩が二歩になるので、底歩を打つ際は相手の持ち駒に気を付けてください。
連打の歩
図は相手に棒銀で攻め込まれた局面です。
普通はここまで指されたらダメなのですが、この場合は逆用できます。
五手一組です。
下級の方には少し難しいかもしれませんが、考えてみてください。
ヒントは「飛車と成銀の両取り」です。
正解は▲8三歩△同飛▲8四歩△同飛▲6六角!
これで飛車と成銀の両取りがかかりました!
まとめ
歩の受けの手筋、どうでしたか?
今回だけで級位者向けの歩の受け手筋は大体網羅しましたよ!
これらはプロアマ関係なくよく使われる、
良い手筋なのでぜひ使ってみてください。
次回は歩の受け手筋【有段者編】です!
この記事で物足りないという方はそちらを見て頂ければと思います。
以上、歩の受け手筋【級位者編】でした!
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