将棋界唯一のプロ育成機関、「奨励会」。

 

さて「奨励会」とはどんなところなのでしょう?

 

あまり情報発信されることなく、謎に包まれている部分が多いですよね。

 

「奨励会ではどう過ごしているの?」という質問もよくいただきます。

 

今回はそうした方の疑問を晴らすべく、

 

現役奨励会員の私が奨励会での1日をご紹介しようと思います!

 

ちなみにこの記事では関東奨励会について紹介しています。

関西奨励会とは多少異なる場合がありますので予めご了承ください。

 

1日の流れ

 

級位者は3局、有段者は2局と局数が違うので1日の流れは少し違います。

ちなみに持ち時間は級位者が60分、有段者が90分ですね。

 

級位者

 

(8:00 対局場をセットする当番は準備開始)

9:00 朝礼開始

9:10 1局目開始

12:30 ミーティング

12:35 2局目開始

15:30 3局目開始

 

有段者

 

9:00 朝礼開始

9:10 1局目開始

14:00 2局目開始

 

という感じですね。

すべての対局が終わったら、幹事に帰る旨を伝えて解散となります。

 

対局が始まるまで

 

朝礼が9時からなので、

10分前にはほとんどの奨励会員が集合していますね。

そして朝礼が始まる5分前には正座をしています。

 

その間は精神統一をする者、仲間と話して気を紛らわす者、

将棋の本を読む者、様々です。

 

朝礼が始まると、

注意事項や仕事のお知らせ、前回の昇級昇段者などが伝えられます。

そのすべてが伝え終わったら、

「○○二段と○○初段」というように対戦カードが読み上げられていきます。

 

ちなみに三段は事前に対戦相手が決まっているので、

そのまま対局の準備に移ります。

 

遅刻の扱い

 

電車の遅延などやむを得ない遅刻をしてしまった時のペナルティですが、

遅刻した時間×1の分だけ持ち時間が減る、ということになっています。

 

持ち時間60分の将棋で5分の遅刻をしたら、

持ち時間55分の状態から対局開始になりますね。

 

対局開始1時間を過ぎても来なかった場合は不戦敗となります。

そしてあまりに遅刻の回数が多いと、罰当番や強制退会などを食らいます。

(少ないながら事例あり)

 

休憩時間について

 

1局目が終わると休憩時間となります。

休憩時間は3階、もしくは2階の研修室でお店から届いたお弁当を食べます。

弁当代は奨励会費に含まれているので、新たに払う必要はありません。

 

休憩時間の過ごし方ですが、

関東奨励会はフレンドリーな方が多いので、

ほとんどの奨励会員はくっちゃべって終わりますね(^^)

 

 

 

この休憩時間は強い方とお近づきになるチャンスです。

私もその時間を利用して、多くの奨励会員と仲良くなりました!

それがきっかけで研究会に誘ってもらったり、

良い対戦カードの記録係をもらったりもしました。

 

積極的に話しかけることは強くなる上で大切ですよ!

 

 

対局について

 

持ち物

 

対局室には基本的に何でも持ち込み可となっていますが、

以下のものは禁止されています。

 

スマートフォンなど電子機器

将棋の本

 

特に電子機器は不正防止のため、対局中はロッカーに預けることになっています(三段のみ)。

二段以下はカバンに入れることになっています。

 

正座

 

対局は基本的に正座です。

痛くならないのか、という質問を頂きますが、

胡坐にしても怒られませんし、席を立つこともできるので問題ありません。

むしろ正座の方が緊張感があって考えることに集中できますけどね。

 

記録係のような第三者としての正座はかなり辛いですが、

対局者当人としての正座は盤面に没頭しているので痛さをあまり感じません。

 

まあ記録係は席を立てないのもありますから余計にですかね。

 

ちなみに記録係について気になった方はこちらの記事をどうぞ。

記録係はどんな仕事?

 

 振り駒

 

よくアマチュアの対局では盤の上で振り駒をしますが、

奨励会では盤駒が傷つくためにご法度となっています。

ではどう振り駒をするのか。

 

それは隣の人にお願いして、

歩が座布団の上に落ちるよう振り駒をしてもらうんです。

これは絶対のルールですね。破っている方を見たことがありません。

奨励会に入って最初に教わります。

 

時計

 

奨励会員の対局には公式戦のような記録係がいませんので、

時計はチェスクロックを使って対局を行います。

 

ここに関してはアマの対局と同じですね。

 

ただ時計を強く叩いたり、1回の着手で2回以上時計を押したりする行為は

奨励会ではマナー違反とされています。

心当たりのある方は気を付けましょう。

 

 

千日手・持将棋

 

通常はそのまま指し直しになるのですが、

終局が遅く、次の対局開始時間に影響する場合は

すべての対局が終わってからの対局再開となります。

 

ちなみに私も「すべての対局が終わってからの対局再開」というのを

何回か経験したことがあるのですが、

毎度毎度、終局時間が20時過ぎになって辛かったです(+_+)

しかも当番は帰っているので対局終了後の

盤駒チェスクロックなどの片付けは対局者がやらないといけません。

 

指し直しはかなりの体力を消耗しますので、

普段からの筋トレなどが大事になってきますね。

 

特に持将棋は200手を超える場合もあるので、

指し直しも含めて1日に500手以上指すこともありますしね。

 

ちなみに持将棋ですが、こちらは公式戦と同じ24点法でやっています。

これから奨励会を目指す方は必ずメモしてください。ここ結構大事です。

私も24点法のおかげで勝ったり指し直しに持ち込んだりしましたから。

 

24点法についてご興味のある方ははこちらをご参照ください。
将棋の応用ルール
【入玉宣言法】のところが該当箇所です。

 

感想戦

 

奨励会で早く上がりたいなら感想戦は絶対ですね。

 

おそらく、そう言うと誰かは、

「なぜ感想戦をしなければいけないのか」

「感想戦なんてさっさと終わらせてソフトに解析させればいいじゃないか」

そう返してくると思います。

 

でもそれは少し違うんですよ。

 

奨励会での感想戦をやる意味は相手の棋風を研究するところにあるんです。

 

同じくらいの段級にいる方とは今後10局以上、対戦することになるので、

少しでもその人の指し方を理解しておかなければいけません。

 

逆に理解していれば、

「この人は弱気だから、ここは銀を引いてくれるはず」

「この人は端攻めが好きだから、ここはあらかじめ受けておこう」

 

などと言った推測を立てながら指すことができます。

感想戦で局面局面での意見交換を多くすることにより、

こういった思考ができるようになるんですよ。

 

まあもちろん、ただ単にお話し好きで

感想戦をやっている方もいますけど・・・(笑)

 

とにかく感想戦は奨励会で勝ち抜くために必要ですね。

感想戦をせずに強くなった奨励会員を見たことがありません。

 

奨励会が終わった後の彼らは・・・

 

奨励会員は例会後どうしているのかですが、

基本的にはこの3パターンに分かれますね。

 

  • 道場に行って指す 
  • ご飯に行って勝利を祝うor敗北を慰める
  • 普通に帰宅

 

割合的にはこうでしょうか。

 

道場に行って指す→30%

ご飯に行って勝利を祝うor敗北を慰める→50%

普通に帰宅→20%

 

 

奨励会員にもグループがあるので、そのグループごとに行動が変わります。

ちなみに私は道場で指すことが多いです。終電近くまで指したこともありますね(笑)

 

最後に

 

いかがでしたでしょうか?

奨励会について語られることは少ないので、

今回書いてみました。

 

この記事を見ている方でこれから奨励会を目指す方もいると思うので

気になること等ありましたらお気軽にお訊きください!

 

以上、奨励会の1日でした!

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