「詰将棋を作ってみたい」
と思っても、どう作ればいいかわからない。
そういう方、多いと思います。
今回は過去に『詰将棋パラダイス』の入選経験のある私が、
詰将棋を誰でも簡単に作れてしまうコツを伝授します!
「自分はまだ指し将棋が弱いし・・・」という方はご安心ください!
詰将棋を作るのに指し将棋の実力は関係ありません。
たとえ15級でもプロが大絶賛するような詰将棋を作ることができますよ。
「自分は難しい詰将棋が解けないからな・・・」という方もご安心ください!
詰将棋はコツさえ覚えてしまえば、
自分が解くレベル以上の詰将棋を作ることができます。
(ですが1手~5手詰めくらいは解けた方が詰将棋を作る幅が広がります)
それでは早速見ていきましょう。
詰将棋作成上のルール
基本的には指し将棋のルールと同じですが、
完成度を上げるには詰将棋用のルールを守る必要があります。
もう知っているよorとにかく何でもいいから作ってみたい、
という方は先に進んでください。
詰将棋の基礎的なルールは以下の通りです。
- ・受け方は最長手数となるように逃げる
- ・詰み上がった時に攻め方の持ち駒は余らせない
- ・2通り以上の詰み筋を出さない(余詰)
- ・手順前後となる詰み筋を出さない
- ・限定打、限定合(ここしか打つ場所がない、この合駒しか最長手数にならない)
自分の作った詰将棋がルールを守れているか、が
気になる方は将棋ソフトを使うと良いでしょう。
初手から1手ずつソフトの検討手を見ていけば
上に記したルールはすべて確認できるはずです。
私もそうですが、最近の詰将棋作家は完成してから
将棋ソフトでよく確認作業を行っています。
二つの作り方
詰将棋には
-
・逆算
-
・任意
という二つの作り方があります。
逆算は詰んでいる形から手数を伸ばして作っていく手法
任意は盤上にランダムに駒を置いて作っていく手法。
初心者の方には逆算をオススメします。
なぜなら最後の詰み手順(収束)が決まっているので、
詰将棋が苦手でも作りやすいからです。
この記事では逆算の作り方でのコツをお教えしようと思います。
まずテーマ図がこちら↓
▲2四桂の一手詰めですね。
ここから少しずつ詰将棋らしくしていきましょう。
今回お見せする詰将棋はすべて私のオリジナル作品です!
(もし同形作品があったら申し訳ないです)
詰将棋を作るコツ 初級編
逃げ道を広げる
例1
▲2四桂△1三玉▲2五桂までの3手詰め。
例2
▲2四桂△2一玉▲4三馬△3一玉▲3二馬までの5手詰み。
まずはこんな風に受け方の逃げ道を広げてみましょう。
両問題とも一つ駒を動かしたり、取っ払ったりしただけですが、
少し詰将棋らしくなりましたよね?
例1のように逃げ道を広げて詰まなくなった場合は、
持ち駒に何が増えたら詰むかを考えるのも大事なポイントです。
玉の場所を変える
例1
▲1二金△同玉▲2四桂△1一玉▲1二金までの5手詰め。
例2
▲1二飛△同玉▲2四桂△2二玉▲1二金までの5手詰め。
作った詰将棋に例1の▲1二金、例2の▲1二飛のような
「捨て駒」が出てくると作品としての評価が高くなります。
玉の場所を変えると、元の位置に戻すための「捨て駒」が
現れるのでぜひ積極的に使ってください。
詰将棋を作るコツ 中級編
邪魔駒を入れる
例1
▲2五桂△1二玉▲1四飛△同桂▲2四桂までの5手詰め。
例2
▲1三銀成△同桂▲2四桂△2一玉▲4三馬△同銀
▲3三桂△3一玉▲4一歩成までの9手詰め(詰め上がり図)
詰め上がり図
▲2四桂から詰ましたいときは、あえて▲2四の地点に駒を置くのも有力です。
そうすれば邪魔駒を捨てることになりますので、
「捨て駒」ということで作品の質が上がります。
打ち歩詰め
まず「歩を打って詰ますと反則負けになる」ことを
理解していることが前提になります。
例1
▲2四馬△同歩▲1四歩△2三玉▲1五桂までの5手詰め。
例2
▲1三桂成△同玉▲2四馬上△1二玉▲2三馬左△同歩▲1三歩△2二玉
▲3四桂△3二玉▲4二馬までの11手詰め(詰め上がり図)
詰め上がり図
打ち歩詰め回避の仕方はこれ以外にもたくさんあります。
案外、指し将棋にも打ち歩詰めの局面は発生するので、
打ち歩避けの詰将棋を作れば実戦にも生きますよ!
詰将棋を作るコツ 上級編
合駒問題
合駒問題は合駒を一種類に限定しなければいけない
(その他の合駒だと早く詰む)ので創作難易度は一気に上がります。
例1
▲2四香△2三桂▲同香成△2一玉▲1三桂△同香▲1二成香までの7手詰め。
▲3二飛△2二桂▲同飛成△同玉▲3一角△2一玉▲4三馬△1二玉
▲2四桂△同歩▲1三歩△2三玉▲3二馬までの13手詰め(詰め上がり図)
詰め上がり図
今回は桂の限定合でしたが、そのほかの駒を限定合に選ぶ作品もあります。
合駒問題は解く方も作る方も根気が要りますので、
ある程度経験を積んでからの方が良いかもしれません。
双玉
双玉は自玉も協力して敵玉を詰ます問題です。
ですが時には自玉が邪魔して詰ましづらくなることも。
例1
▲1五香△1四角▲2三金までの3手詰め。
例2
▲1三金△同桂▲2四桂△2二玉▲2一飛△同玉
▲4三馬△2二玉▲3二馬までの9手詰め(詰め上がり図)
詰め上がり図
例1、例2ともに逆王手が色々あって、詰ますのが大変ですよね(笑)
普通なら簡単に詰むのに……という形が多いのが双玉の特徴です。
双玉の問題を作る方は少ないですが、意外と中毒性の高い詰将棋ですよ!
余詰め、不詰めを解消したいとき
作ったはいいけど余詰があるor不詰めだ
という状況になったとき、まずやるべきことは
- ・持ち駒を増やすor減らす
- ・持ち駒の種類を変える
です。
これがダメだった場合、今回紹介したコツをうまく組み合わせて使ってください。
なるべく収束を変えないように作るのがポイントですよ。
詰み筋を変えてしまうと、また一から考え直さなければいけないので、
時間がかかってしまいます。
作品が完成したら将棋仲間や将棋ソフトに解いてもらいましょう。
それで問題がなければ完全作品です。
最後に
今回の問題は半日ですべて作ったので、
クオリティに欠けるところがあるかもしれません。
ですがポイントとなる箇所はしっかり説明できたと思います。
今回、紹介したコツを使って作りましたよ、という作品があれば、
コメントで見せて頂けると嬉しいです!(^^)!
以上、【誰でもできる!】詰将棋の作り方でした!